陸軍輸送船

※United States Army Transport(合衆国陸軍輸送船)の略。陸軍輸送部隊(Army Transport Service: ATS)は、1898年後半に陸軍需品部(Army Quartermaster Department)の不可欠な部隊として組織された。陸軍が“艦隊”を持つというの概念は、米西戦争中の軍事封鎖の経験から始まった。20世紀初頭に陸軍は、米比戦争および義和団の乱(庚子事変)でアメリカ軍の支援のために一部の外国登録籍船をチャーター。1904年に続いて、幾分スケルトン化された艦隊は、第一次大戦のアメリカの参戦まで使用され続けた。1918年初めには艦船の規模を急速に拡大、陸軍はフランスのアメリカ遠征軍の支援で50隻以上の船舶を展開させた。戦争省(陸軍省:War Department)は、1918年7月、海軍海外輸送部隊(Naval Overseas Transportation Service)が陸軍の“艦隊”を引き継ぐことを要請するも停戦時まで完全に達成されていなかった。1919年初めから、陸軍はこの機能を取り戻すようになった。1921年に始まった装備の大幅な削減により、“艦隊”は太平洋におけるアメリカの保有地に従事する輸送手段のみに使用された。第二次大戦が勃発し“艦隊”は再び拡大。1942年に陸軍輸送科は陸軍輸送隊(Army's Transportation Corps)に吸収され、“水上”師団(Water Division)の一員となる。多数の民間船舶員が所属することになる。1950年代初頭、海軍の軍事海上輸送部隊(Military Sea Transport Service)は、陸軍の“艦隊”の役割を引き継いだ。陸軍輸送隊は依然として大規模な小型船艇を中心とした“艦隊”を運用しており、その乗員は今や全て陸軍所属になっている
※第二次大戦以前(掲載はABC順)
※第二次大戦ごろ(掲載はABC順)


Update 23/12/17