VMFAT
海兵戦闘攻撃訓練飛行隊 Marine Fighter Attack Training Squadron

アイコン 意味
戦闘や事故で失った場合(沈没、墜落)や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
インターネットやTVゲームに登場する事柄です
不可解な事故&事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です
※MCAFは海兵航空補助飛行場(Marine Corps Auxiliary Field)の略。MCAAFは海兵航空補助施設(Marine Corps Auxiliary Air Facility)の略。MCASは海兵航空基地(Marine Corps Air Station)の略。NASは海軍航空基地(Naval Air Station)の略。NAASは海軍航空補助基地(Naval Auxiliary Air Station)の略。NSは海軍基地(Naval Station)の略(ABC順)
※第501海兵戦闘攻撃訓練飛行隊(Marine Fighter Attack Training Squadron 501: VMFAT-501)は、27機のF-35Bで構成されるアメリカ海兵隊の訓練飛行隊であり、艦隊代替飛行隊として機能している。“ウォーローズ Warlords”の名で知られる同飛行隊は、サウス・カロライナ州ビューフォート海兵航空基地 MCAS Beaufortを拠点とし、管理上は第31海兵航空群(Marine Aircraft Group 31)および第2海兵航空航空団(2nd Marine Aircraft Wing)に属する。この飛行隊は、もともと“ブルー・デヴィルズ Blue Devils”として知られ、第二次大戦と“砂漠の嵐作戦 Operation Desert Storm”で活躍したVMFA-451の系譜を引き継いでいる。VMFA-451は1997年1月31日に閉隊した

↑Image courtesy of en.wikipedia.org.
所在地 駐留日
MCAS Mojave 1944/2/15
MCAS El Toro 1945/6
NAS Willow Grove 1946/7/1
MCAS El Toro 1951/3
MCAS Beaufort 1963/2/1
航空機の割り当て 初受領日
F4U-1D 1944/2
F6F-5 1946/7
F9F-2 1951/3
FJ-2 1954/10
FJ-4 1956
F8U-2
F8U-2N
F-4J 1968/2
F-4S
F/A-18 1987/9
F-35B 2010/4
日付 主な出来事
1944/2 第451海兵戦闘飛行隊(Marine Fighting Squadron 451: VMF-451)は1944年2月15日、カリフォルニア州モハーヴェ海兵航空基地で活動を開始した。“ブルー・デヴィルズ Blue Devils”は同基地で訓練を受けた32個飛行隊の1つで、“モハーヴェ海兵隊 Mojave Marines”として総称された。F4U-1Dを装備した彼らは、17ヶ月間司令官を務めたヘンリー A. エリス Jr. Major Henry A. Ellis, Jr. 少佐の指揮の下、空母艦載機運用の訓練をほぼ1年間行った
1945/1 飛行隊は1945年1月24日、VF-84とVMF-221とともに航空母艦バンカー・ヒル Bunker Hill(CV-17)に乗り込んだ。これは3つのコルセア飛行隊による最初の高速空母配備であった。“ウルフ・ギャングWolf Gang”と総称されるCVG-84の新メンバーとして、CV-17は太平洋を西に向かって航行した。彼らは2月16日、東京近郊の目標に対して最初の戦闘出撃を行った。“ブルー・デヴィルズ”は最初の戦闘任務で最初のキルを獲得したが、同時に最初の死傷者も出した。フォレスト P. ブラウン中尉 Lieutenant Forrest P. Brownは対空砲火で撃墜され、水中に浮かんでいるのが目撃された。3月18日、彼らは怒りの矛先を九州に向け、名崎飛行場と大村飛行場を破壊し、またもやキルを獲得した。4月3日、“ブルー・デヴィルズ”は11機の日本軍機を撃墜し、4月12日には16機の神風機を撃墜した。飛行隊副長(XO)のアーチー・ドナヒュー少佐 Major Archie Donahueは3機の愛知九九式艦上爆撃機(D3A、Val)と2機の三菱零式艦上戦闘機(A6M、Zeke)を撃墜し、海兵隊初の空母艦載機による“エースインアデイ ace-in-a-day”となり、1943年にVMF-112で記録した9機の撃墜に加えている
1945/5 5月11日はVMF-451とバンカー・ヒルの他の“ウルフ・ギャング”メンバーにとって極めて重要な日であった。J. S. ノリス Jr. 少尉が奄美近海で三菱零式艦上戦闘機(A6M、Zeke)を撃墜し、VMF-451の撃墜数を34に伸ばしたからである。1005時、バンカー・ヒルは2機の神風に襲われ、それぞれが爆弾を搭載し、着弾前に放たれた。バンカー・ヒルは直ちに燃え始め、その煙はさらなる神風を引き寄せた。しかし、どの特攻機も対空砲火を貫通することができず、バンカー・ヒルはそれ以上の被弾を免れた。炎はやがて消え、CV-17は足を引きずりながらウルシー Ulithi、そして真珠湾に戻り、最終的に1945年6月3日、ワシントン州ピュージェット・サウンドでの戦災修理のために到着した。VMF-451はエル・トロ海兵航空基地 MCAS El Toroの地上部隊に復帰し、終戦まで駐留した。VMF-451は日本、台湾、琉球作戦での活躍により大統領部隊賞 Presidential Unit Citationを受賞し、1945年9月10日に閉隊した
1946/7 1946年7月1日、“ファイティン・フィリーズ Fightin' Phillies”はペンシルヴェニア州ウィロー・グローヴ海軍航空基地 NAS Willow Groveで予備隊として再活性化され、F6F-5を装備した。韓国で敵対戦争が勃発するまで、予備飛行隊として存続した。1951年3月1日、部隊は現役に呼び戻され、F9F-2パンサーを装備した。VMF-451はエル・トロ海兵航空基地 MCAS El Toroに移転し、ハワイのカネオヘ・ベイ海兵航空基地 MCAS Kaneohe Bayに定期的に配備された
1954/10 1954年10月、VMF-451はFJ-2にアップグレードし、“ウォーローズ Warlords”という名称を採用した。部隊章はカーリング・ビール Carling beerのラベルを突き破るジェット機をモチーフにしたデザインに変更され、“Veni, Vici”は “I came, I conquered”を意味する“Veni, Vici”に対して、“We conquered some wine”を意味する“Vini, Vici”というモチーフが付けられた。10月20日、“ウォーローズ”はVMF-235の“デス・エンジェル Death Angels”とともに護衛航空母艦コレヒドール(CVE-58)に乗り込み、日本の厚木基地に配備された。1956年、VMF-451はアップグレードされたFJ-4を受領した最初の海兵隊飛行隊となった。翌年、テイル・コード“AM”は“VM”に変更された。1957年6月、VMF-323の“デス・ラトラーズ Death Rattlers”が厚木で彼らを救援し、彼らの飛行機を所有した。そののち、“ウォーローズ”はエル・トロ海兵航空基地に戻り、VMF-323の機体を引き取り、1958年9月15日に台湾南部のPing TungでVMF-323を救援し、フューリーを引き取った。“ウォーローズ”は台湾海峡危機の終結時に駐留し、攻撃航空母艦レキシントン Lexington(CVA-16)で短期間の空母訓練を受けたのち、1959年11月にFJ-4とともにエル・トロ海兵航空基地に帰還した
エル・トロ海兵航空基地にいたとき、VMF-451はFJ-4フューリーから超音速のF8U-2へアップグレードし、18ヶ月間デイ・ファイターを飛ばしたのち、ふたたびF8U-2N全天候型にアップグレードし、第451海兵戦闘飛行隊(全天候、Marine Fighter Squadron (All Weather) 451: VMF(AW)-451)と改名された。1962年1月4日、飛行隊は海軍厚木基地に配備されたが、45日間の旅路のために空母に詰め込まれる代わりに、“ウォーローズ”は航空機を日本まで飛行させ、7日後に到着したとき、空対空給油のために新しいKC-130ハーキュリーズを利用した最初の飛行隊となった。“ウォーローズ”は1963年2月1日、サウス・カロライナ州ビューフォート海兵航空基地 MCAS Beaufortに編入されるまで極東に留まった
1965/8 1965年8月24日、VMF(AW)-451はテイル・コード“AJ”とともに攻撃航空母艦フォレスタル Forrestal(CVA-59)に配備され地中海クルーズを行ったのち、1966年4月7日にビューフォート海兵航空基地に帰還した。1968年2月1日、“ウォーローズ”はF-4Jに乗り換え、クルーセイダーを引き渡した。新しい航空機とともに、第451海兵戦闘攻撃飛行隊(Marine Fighter Attack Squadron 451: VMFA-451)という新しい名称が与えられた。1976年7月、同飛行隊は200周年記念のマーキング bicentennial markingsで塗装され、第17空母航空団 Carrier Air Wing 17のテイル・コード“AA”を付けたファントムで、元の母艦である汎用航空母艦フォレスタル(CV-59)に戻る予定だった。しかし、地中海クルーズはキャンセルされ、部隊はビューフォート海兵航空基地に戻った
1984 1984年、VMFA-451はファントムで29,000時間無事故という安全記録を打ち立てた。アルフレッド・カニンガム賞 Alfred Cunningham awardを受賞したT. D. セダー中佐 Lieutenant Colonel T. D. Sederに率いられた“ウォーローズ”は、由緒ある“サイ Rhino”を21年間使用したのち、1987年9月にF-4SからF/A-18に交代した
1989/5 1989年5月、同飛行隊はふたたび汎用航空母艦コーラル・シー Coral Sea(CV-43)とともに地中海クルーズに出航し、ビューフォートを拠点とする海兵隊が空母に乗艦する8年間の不在に終止符を打った。この巡航中、VMFA-451は4万時間の無事故を達成し、1988年の優秀な海兵戦闘攻撃飛行隊としてハンソン賞 1988 Hanson awardを受賞したことを知った。飛行隊は1989年9月にビューフォートへ帰還
1990/8 1990年8月23日、VMFA-451は“砂漠の盾作戦 Operation Desert Shield”を支援するためバーレーンに展開。1991年1月17日午前3時、“ウォーローズ”は“砂漠の嵐作戦 Operation Desert Storm”でイラク軍を攻撃した最初の海兵隊となった。隊長のA. S. “スコッティ”ダドリー中佐 Lieutenant Colonel A. S. "Scotty" Dudleyは、第11海兵航空群 Marine Aircraft Group 11の下、より大規模な50機の攻撃部隊の一部として4機の攻撃を指揮した。“ウォーローズ”は770回の戦闘出撃と1,400時間の戦闘時間で作戦を終えた。彼らは全ての航空機と人員とともにビューフォート海兵航空基地に帰還した
VMFA-451は、ノルウェーでの演習を含む定期的な派遣を行いつつ、活動停止までの残りの6年間を東海岸で過ごした。彼らは1996年7月下旬に西太平洋から帰還し、そこから57年の歴史に幕を下ろした。VMFA-451の“ウォーローズ”は1997年1月31日に閉隊となった
2010/4 2010年4月1日、フロリダ州ペンサコラ海軍航空基地 Naval Air Station Pensacolaの国立海軍航空博物館 National Museum of Naval Aviationでの式典で、飛行隊は再活性化され、VMFAT-501として再指定された。飛行隊はF-35B艦隊代替飛行隊(Fleet Replacement Squadron: FRS)として機能している
当初はフロリダのエグリン空軍基地 Eglin Air Force Baseに駐留していたが、管理上は第31海兵航空群(Marine Aircraft Group 31: MAG-31)に属し、運用上は米空軍の第33戦闘航空団 33d Fighter Wingに属していた
2014/7 VMFAT-501は2014年7月にビューフォート海兵航空基地の恒久的な本拠地に戻り、現在は管理上も運用上もMAG-31に属している
2018/9 2018年9月28日、ビューフォート海兵航空基地近郊でF-35Bが墜落し、パイロットは無事脱出した。F-35全機は、全てのF135-PW-600エンジンを点検するために飛行中止にされた。調査の結果、エンジンの燃料チューブの製造上の欠陥が原因であることが判明し、これが破裂して出力を失う原因となった
2023/9 2023年9月17日、ビューフォート海兵航空基地を離陸後、サウス・カロライナ州チャールストンの北にて墜落。チャールストンから約80マイル北にあるモートリー湖 Lake Moultrieとマリオン湖 Lake Marionに集中した。最終的に、戦闘機は最初の捜索場所からさらに北で発見

↑Marine Fighter Attack Training Squadron (VMFAT) 501, Marine Aircraft Group (MAG) 31, 2nd Marine Aircraft Wing (MAW), takes off during an airshow demonstration practice at Marine Corps Air Station Beaufort, South Carolina, Aug. 21, 2023. US Marine Corps Photo. Image courtesy of USNI news.


Update 24/12/15