VMFA
海兵戦闘攻撃飛行隊 Marine Strike Fighter Squadron

アイコン 意味
戦闘や事故で失った場合(沈没、墜落)や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
インターネットやTVゲームに登場する事柄です
不可解な事故&事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です
※MCAAFは海兵航空補助施設(Marine Corps Auxiliary Air Facility)の略。MCASは海兵航空基地(Marine Corps Air Station)の略。NASは海軍航空基地(Naval Air Station)の略。NAASは海軍航空補助基地(Naval Auxiliary Air Station)の略。NSは海軍基地(Naval Station)の略(ABC順)
※第314海兵戦闘攻撃飛行隊(Marine Fighter Attack Squadron 314: VMFA-314)はアメリカ海兵隊のF-35CライトニングII飛行隊である。カリフォルニア州ミラマー海兵航空基地 MCAS Miramarを拠点とし、第11海兵航空群(Marine Aircraft Group 11: MAG-11)および第3海兵航空団(3rd Marine Aircraft Wing: 3rd MAW)の指揮下にあるが、アメリカ海軍の第9空母航空団(Carrier Air Wing Nine: CVW-9、テイル・コード“NG”)とともに展開する。ニックネームはBob's Cats(WWII時)、のちにBlack Knights(1957年〜)

↑Image courtesy of en.wikipedia.org.

所在地 駐留日
MCAS Cherry Point 1943/10/1
MCAS Miami 1952
MCAS El Toro 1955
MCAS Miramar 1994/6
航空機の割り当て 初受領日
F4U 1943
F9F
F4D
F-4B 1961
F/A-18A 1982/5
F/A-18C 1996/2
F/A-18A++
F-35C 2020/1
日付 主な出来事
1943/10 第314海兵戦闘飛行隊(Marine Fighting Squadron 314: VMF-314)は1943年10月1日、ノース・カロライナ州チェリー・ポイント海兵航空基地 MCAS Cherry Pointで就役した。飛行隊は当初、“ボブの猫 Bob's Cats”というニックネームを与えられていた。飛行隊はF4Uコルセアに搭乗する第32海兵航空群(Marine Aircraft Group 32: MAG-32)に配属され、南太平洋での戦闘に向けて直ちに訓練を開始した。1944年2月、同飛行隊はVMF-324とともにキンストン海兵補助飛行場 MCAAF Kinstonに配属された最初の部隊の1つであった。太平洋戦域に向けてキンストン海兵補助飛行場を出発し、1944年6月18日にエワ海兵航空基地 MCAS Ewaに到着、第3海兵航空団(3rd Marine Aircraft Wing: 3rd MAW)の第23海兵隊航空群(Marine Aircraft Group 23: MAG-23)に再配属された。VMF-314は1944年12月にエワ海兵航空基地に戻り、1945年4月までそこに留まったが、1945年5月に伊江島に移動し、第22海兵航空群(Marine Aircraft Group 22: MAG-22)の一員として沖縄戦に参加した。そののちの作戦で、VMF-314のパイロットは11機のキルを記録し、飛行隊は大統領部隊賞 Presidential Unit Citationを授与された。VMF-314は1945年11月にエル・トロ海兵航空基地 MCAS El Toroに戻り、1946年3月にふたたびチェリー・ポイント海兵航空基地に到着した。しばらくの間、第9海兵航空団(9th Marine Aircraft Wing: 9th MAW)、第22海兵航空群に配属されたが、1947年4月30日に閉隊した
1952 VMF-314は1952年にフロリダのマイアミ海兵航空基地 MCAS Miamiで再就役し、最新型のコルセアに搭乗する第3海兵航空団の第31海兵航空群(Marine Aircraft Group 31: MAG-31)に配属された。同年、飛行隊は新しいF9Fパンサーに移行した。そののち3年間、VMF-314はプエルト・リコのルーズヴェルト・ローズに2度配備され、そののち日本の厚木海軍航空施設 NAF Atsugiに18ヶ月間配備された。VMF-314は1953年9月11日から1954年7月27日までの作戦で韓国従軍勲章 Korean Service Medalを獲得した。1955年、VMF-314は日本から帰還し、現在はカリフォルニア州エル・トロの海兵航空基地に駐留する第3海兵航空団の第15海兵隊航空群(Marine Aircraft Group 15: MAG-15)に配属された。
1957 1957年、飛行隊は新型F4Dスカイレイを受領し、VMF(AW)-314となった。同年、飛行隊は正式に“ブラック・ナイツ Black Knights”となり、司令官の航空効率トロフィー Commandant's Aviation Efficiency Trophyを授与された。同飛行隊は日本の厚木基地に短期間配備されたのち、台湾の屏東 Ping-tungを含む極東全域に陸上配備され、中国共産党と戦う中華民国を支援した
1961 1961年、同飛行隊は新しいF-4BファントムIIに移行した最初の海兵飛行隊となり、VMFA-314と命名された。1961年から1964年の間に、飛行隊は8回派遣された。その中には3回の空母派遣と、エル・トロ海兵航空基地から日本の厚木海軍航空施設まで太平洋を横断する空中給油ミッションが含まれていた
1965 1965年、VMFA-314はヴェトナムでの戦闘作戦のために攻撃航空母艦ヴァリ・フォージ Valley Forge(CVA-45)に乗り込んだ。1965年から1970年まで、同飛行隊はチュー・ライ基地 Chu Lai Air Baseとダ・ナン基地 Da Nang Air Baseから25,000時間以上の戦闘時間を飛行し、海兵隊の小銃手や他の同盟国の地上部隊を支援するために100,000,000ポンド以上の兵器を使用した。1968年には、海軍作戦部長航空安全賞 Chief of Naval Operations Aviation Safety Awardを受賞した。1969年、VMFA-314はフランク E. ピーターセン Frank E. Petersenの指揮下で、海兵隊最高の戦闘攻撃飛行隊としてハンソン・トロフィー Hanson Trophyを授与された。コマンダント・エフィシェンシー・トロフィー The Commandant's Efficiency Trophyは1969年と1970年にも同飛行隊に授与された。1970年9月、VMFA-314は49ヶ月に及ぶ派遣戦闘作戦を終了し、その優れた功績に対して功労部隊表彰 Meritorious Unit Commendationを受けた
1982/5 1982年5月、飛行隊の最後のF-4は新型F/A-18Aホーネットへの移行準備のために譲渡された。1982年、VMFA-314はP. B. フィールズ中佐 Lt Col P. B. Fieldsの指揮の下、最初のF/A-18を受領し、海兵隊および海軍でホーネットを採用した最初の戦術飛行隊となった
1985 1985年、VMFA-314は第13空母航空団(Carrier Air Wing 13: CVW-13)に編入され、汎用航空母艦コーラル・シー Coral Sea(CV-43)に乗艦して地中海の米第6艦隊 U.S. Sixth Fleetの任務に就いた。リビア周辺での航行の自由作戦に参加し、シドラ湾とリビアで“エル・ドラド・キャニオン作戦 Operation El Dorado Canyon”を支援する戦闘作戦に参加した。
1990夏 1990年夏、西太平洋に戻る準備をしていた飛行隊はペルシャ湾に急派され、第70海兵航空群(Marine Aircraft Group 70: MAG-70)の一員として“砂漠の盾作戦 Operation Desert Shield”のためにバーレーンに到着した最初の海兵隊F/A-18飛行隊となった。“ブラック・ナイツ”は約6カ月間、ペルシャ湾上空で24時間戦闘空中哨戒を続けた
1991/1 1991年1月16日、“砂漠の盾作戦”は“砂漠の嵐作戦 Operation Desert Storm”に移行した。飛行隊は1,500時間以上飛行し、814回の戦闘出撃を行った。戦争中に飛行した任務は、護衛、SEAD、ミグ・スイープ、対地攻撃などであった。VMFA-314は1991年3月に中東から帰還したが、飛行隊員や航空機の損失は1機もなかった
1992/8 1992年8月、VMFA-314は第11空母航空団(Carrier Air Wing 11: CVW-11)に編入され、1993年には原子力汎用航空母艦エイブラハム・リンカーン Abraham Lincoln(CVN-72)に乗ってインド洋とペルシャ湾に展開した。派遣中、飛行隊はイラク南部で国連の“飛行禁止区域 no-fly-zone”を実施する“サザン・ウォッチ作戦 Operation Southern Watch”と、ソマリア沖で第13海兵遠征ユニット(13th Marine Expeditionary Unit: 13th MEU)と第22海兵遠征ユニット(22nd Marine Expeditionary Unit: 22nd MEU)に近接航空支援を提供する“希望回復作戦 Operation Continue Hope”に参加した。同飛行隊は1993年12月にクルーズから帰還し、第11海兵航空群(Marine Aircraft Group 11: MAG-11)に再配属された
1994/6 1994年6月、VMFA-314はエル・トロ海兵航空基地からミラマー海兵航空基地 MCAS Miramarに移転した最初のMAG-11飛行隊のひとつとなった。1996年2月、同飛行隊は新しいLot 18のF/A-18Cを受領した。1997年、VMFA-314は第9空母航空団(Carrier Air Wing 9: CVW-9)に編入され、原子力汎用航空母艦ニミッツ Nimitz(CVN-68)の“世界一周 Around the World”クルーズに参加した。展開中、飛行隊はふたたび“サザン・ウォッチ作戦”に参加した
2000/1 2000年1月、同飛行隊は第9空母航空団とともに原子力汎用航空母艦ジョン C. ステニス Nimitz(CVN-74)に乗艦し、“サザン・ウォッチ作戦”を支援するため西太平洋とペルシャ湾に6カ月間展開した。湾岸では、“ブラック・ナイツ”は国連決議を支援する戦闘状況下での有事作戦を飛行し、敵の砲火の中で正確な空対地兵器を提供した
2001 VMFA-314は、ノーブルイーグル作戦を支援するため、米海兵隊と航空機をジョン C. ステニスに配備するよう要請された。2001年9月11日の同時多発テロにより、予定されていたジョン C. ステニス艦への配備は2カ月前倒しされた。フリートエクス FleetExのために短縮された洋上期間を経て、VMFA-314は“不朽の自由作戦 Operation Enduring Freedom”を支援するために2001年11月12日にデプロイメントした。同飛行隊は2001年12月18日に戦闘飛行を開始し、アフガニスタンの米軍を支援するため、69,000ポンド以上の兵器を輸送した。VMFA-314は6カ月の展開の途中で5週間延長され、その結果、98日間の連続海上飛行を含む1年間で265日間という途方もない日数を飛行した
2009/3 同飛行隊は2009年3月、“イラクの自由作戦 Operation Iraqi Freedom”を支援するためイラク戦争に派遣された。アル・アサド空軍基地 Al Asad Airbaseを拠点とし、2009年9月に帰還した
2020 2020年、VMFA-314はF-35CライトニングIIへの移行を開始し、空母(CV)型に移行する海兵隊初の飛行隊となった。移行が完了し、飛行隊がF-35Cの完全運用能力を達成すると、VMFA-314はニミッツ級とジェラルド R. フォード級 Gerald R. Ford class原子力汎用航空母艦に搭載された米海軍の空母航空団と統合し、展開する
20109/6 2019年6月21日、同飛行隊はF/A-18A++を退役させ、F-35Cの訓練を開始した。VMFA-314は、2020年1月21日に最初の航空機を受領したF-35Cに移行する最初の海兵隊飛行隊であった
2022/1 2022年1月3日、VMFA-314は第9空母航空団の一部としてエイブラハム・リンカーンに搭載され、サン・ディエゴ海軍基地 NB San Diegoを出発した。VMFA-314は空母に配備された最初の海兵隊F-35C飛行隊である
2023 2023年 VMFA-314はVMFA-311の立ち上げと再活性化を支援し、2024年に完了する予定である
2024/10 米海軍 NAWC-WD(Naval Air Warfare Center Weapons Division)は、エイブラハム・リンカーンに乗艦しているVMFA-314のF-35Cを対象とするMDF(Mission Data File)の引き渡しを実施した。空軍のパートナーと協力して、通常のプロセスよりも迅速な引き渡しを実現
受賞歴
大統領部隊表彰、青銅星章2個付き Presidential Unit Citation, with two Bronze Stars
海軍部隊表彰、青銅星章4個付き Navy Unit Commendation, with four Bronze Stars
功労部隊表彰ストリーマー、青銅星章1個付き Meritorious Unit Citation streamer, with one Bronze Star
2015年、1968年ロバート M. ハンソン年間最優秀海兵戦闘攻撃飛行隊賞 2015, 1968 Robert M. Hanson Marine Fighter Attack Squadron of the Year Award
ヴェトナム戦争中、同飛行隊のパイロットとしてF-4ファントムIIを操縦したジョン・トロッティ米海兵隊少佐 USMC Major John Trottiは、回顧録「Phantom Over Vietnam」でその体験を語っている
1996年公開の映画会社20世紀フォックスの映画「インデペンデンス・デイ Independence Day」では、飛行隊がF/A-18Cを操縦し、エイリアンの侵略と戦う姿が描かれた。同飛行隊はエル・トロ海兵航空基地を拠点としていたが、その2年前にミラマー海兵航空基地に移転していた
1996年公開の映画会社Buena Vista Pictures Distributionの映画「ザ・ロック The Rock」に登場するF/A-18は、胴体に“US Air Force”と書かれているにもかかわらず、またアメリカ空軍が実際にそのタイプの航空機を運用していないにもかかわらず、314のカラーリングが施されている。

↑PACIFIC OCEAN (Oct. 19, 2023) - Aviation Boatswain's Mate (Handling) 2nd Class Carlos Duran, from Murrieta, Calif., signals an F-35C Lightning II afromMarine Fighter Attack Squadron (VMFA) 314, on the flight deck of the Nimitz-class aircraft carrier USS Abraham Lincoln (CVN-72). Abraham Lincoln is underway conducting routine operations in the Pacific Ocean. (U.S. Navy photo by Senior Chief Mass Communication Specialist Justin Webb)


Update 24/10/14