3 Dimensions Radar/Multiple Functions Radar
- ※PARはPhased Array Radar(位相配列レーダー)の略。AMDRはAir and Missile Defense Radar(対空・対ミサイル防衛レーダー)の略
- ※RCA社(現ロッキード・マーチン社)製
- ※イージス武器システムMk. 7の構成の一つで、1969年後半からRCA社を主契約者にアメリカ国内の多くの電子機器メーカーの協力を得て開発された。そののち陸上での評価試験を経て、1974年初めにアンテナを初めシステムを構成する全てのサブシステムがミサイル実験艦ノートン・サウンド Norton Sound AVM-1に装備され、洋上での評価試験が開始された。同年5月、太平洋上で複数の航空機を用いて行われた自動追尾モードでの追尾試験では、期待通りの性能を示したといわれている。RCA社では独自の研究により空母用に改良型のAN/SPY-1Cを提案
- ※従来の回転式アンテナに代わり、艦の上部構造物の前後左右4ヶ所にフェーズド・アレイ・アンテナ Phased Array Antennaをはりつけ、艦の全周を常時捜索できるのが特徴。1つのアンテナ平面に4,480個のビーム放射素子を配列させてあり、その素子の一つ一つを絶えず自動的にスキャン(走査)させることにより、154の目標を同時に探知、識別、追尾することが可能
- ※AN/SPY-1Aは、ミサイル巡洋艦タイコンデロガ級に搭載。13番艦プリンストン Princeton CG-59からは、アンテナ部を軽量化したAN/SPY-1Bとなっている。さらに同レーダーの全体をコンパクトに再設計したAN/SPY-1Dを、ミサイル駆逐艦アーレイ・バーク級に搭載
| ヴァリエーション | |
| AN/SPY-1A | SPY-1Aは、レバノン沖に配備されたSPY-1搭載したミサイル巡洋艦タイコンデロガ Ticonderoga(CG-47)の運用経験から開発されたSPY-1の改良型である。レーダーが昆虫の群れや山岳地帯の雑音を捕捉するため誤警報率が高いことが判明した。この問題の解決策は、オペレーターが定期的に減衰率を下げ、変化する環境に応じて脅威のあるセクターと脅威のないセクターを設定することで、レーダーの感度プロファイルを変更できるようにすることでした。その結果、リソースのより効率的な活用が可能になった。必要なアップグレードに対応するため、30,000行のソフトウェアの約10%が書き直された。2003年、米海軍はSPY-1Aアンテナをオクラホマ州ノーマン
Normanにある国立暴風雨研究所 National Severe Storms Laboratoryに寄贈し、これは気象予報に使用される最初の固定型フェーズド・アレイの一つとなった。この多機能フェーズド・アレイ・レーダーは2016年に退役し、撤去された ↑タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦タイコンデロガ(CG-47) |
| AN/SPY-1B | SPY-1BはVLSIを採用し、性能向上と小型軽量化を実現した。例えば、電子キャビネットの面積は11から5に縮小され、対応する重量は14,700ポンド(6,700kg)から10,800ポンド(4,900kg)に軽減された。また、個別のデジタル・モジュールは3,806個から1,606個に削減された。従来モデルの4ビット位相シフターを7ビット位相シフターに置き換え、アンテナ面における位相シフターの重量を12,000ポンド(5,400kg)から7,900ポンド(3,600kg)に削減。同時にサイド・ローブを15dB低減した。放射器は4,350基で、2つのサイド・ローブ・キャンセル・アンテナ side lobe cancellation antennae(各2素子)を備え、レーダーは11個の16ビット・マイクロプロセッサを使用する。急降下ミサイルへの対抗能力は、より高い仰角での出力増強またはパルス延長により向上した |
| SPY-1B(V) | SPY-1B(V)は、1997年に移動目標指示能力を組み込んだ、以前のSPY-1Bを発展させたものである |
| SPY-1D | SPY-1Dは1991年にミサイル駆逐艦アーレイ・バーク Arleigh Burke(DDG-51)に初めて搭載され、全アンテナが単一のデッキハウスに収められていた。これはアーレイ・バーク級に適合させるためUYK-43コンピュータを採用した-1Bの派生型であり、主アンテナがミサイル・アップリンクとしても使用されるため、従来型で必要だった独立したミサイルアップリンクが不要となった。初期モデルのAN/UYA-4ディスプレイはUYQ-21ディスプレイに置き換えられた。フライトIII(DDG-125)以降、アーレイ・バーク級にはレイセオン社製AN/SPY-6(V)1レーダーが装備される。フライトIIA(DDG-79~DDG-124)はAN/SPY-6(V)4型に改修される予定である ↑アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦アーレイ・バーク(DDG-51) ↑アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ウィンストン S. チャーチル(DDG-81) ↑アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ピンクニー(DDG-91) |
| SPY-1D(V) | 沿岸戦レーダーであるSPY-1D(V)は、1998年に導入された改良型であり、従来の“外洋 blue water”システムが特に脆弱であった沿岸域の高度なクラッタ環境下での運用向けに、新たな追跡開始処理装置を備える。波形は符号化され、信号処理が改善された。電子攻撃に対する耐性も向上した |
| SPY-1E SBAR(S-Band Active Array) | SPY-1E SBAR(Sバンド能動アレイ S-Band Active Array)は、SPY-1シリーズで唯一の能動電子走査アレイ(active
electronically scanned array: AESA)モデルである。SPY-1Eは市販品(commercial off-the-shelf:
COTS)サブシステムを採用し、2004年に片面実証機が建造された。アンテナの重量は変わらないが、甲板下の重量は大幅に軽減された。のちにAN/SPY-2と改称され、そののち、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦およびジェラルド R. フォード級原子力汎用航空母艦向けにAN/SPY-3 Xバンド・レーダーを補完するAN/SPY-4ヴォリューム・サーチ・レーダー(Volume Search Radar: VSR)へと発展した。VSRは予算上の懸念からズムウォルト級から除外され、ジェラルド R. フォード級ではジョン F. ケネディ John F. Kennedy(CVN-79)以降、レイセオン社製AN/SPY-6に置き換えられる予定である ↑ズムウォルト級ミサイル駆逐艦 |
| SPY-1F FARS(frigate array radar system) | SPY-1F FARS(フリゲイト用アレイ・レーダー・システム frigate array radar system)は、フリゲイトに搭載可能な小型版1Dレーダーである。ノルウェー海軍のフリチョフ・ナンセン級フリゲイトに採用されている。SPY-1Fの起源は、1980年代にドイツ海軍に提案されたFARSに遡ることができる。SPY-1Fのアンテナ・サイズは、元の12フィート(4m)で4,350素子から、8フィート(2.4m)で1,856素子に縮小され、探知距離はSPY-1Dの54%である。フリーダム級沿海域戦闘艦への改修提案はあったものの、米海軍では採用されていない。 |
| SPY-1F(V) | SPY-1F(V)は、沿岸目標および巡航ミサイルに対する能力を向上させ、多任務能力を高めたSPY-1Fの派生型である |
| SPY-1K | SPY-1Kは現在提供されているレーダーの中で最小のヴァージョンであり、1Dおよび1Fと同じアーキテクチャに基づいている。これはコルヴェットなどの非常に小型の艦艇での使用を想定しており、SPY-1Fでは大きすぎる場合に使用される。アンテナ・サイズは912素子でさらに縮小され、5フィート(1.5m)となった。2007年時点で実戦配備はなかったが、未就役のAFCONコルヴェットの設計に組み込まれている |
| スペック | |
| 用途 | 多機能 |
| 周波数 | Fバンド(3,100GHz~3,500GHz) |
| ピーク出力 | 4,000kW~6,000kW |
| パルス繰り返し周波数 | 可変 |
| 走査回数 | 毎分12以上 |
| アンテナ形式 | 八角平面 |
| 探知距離 | |
| 備考 | ◎パッシヴPAR、4面1セット |
- ※AN/SPY-6は、RTX社 RTX Corporation(旧称レイセオン・テクノロジーズ社 Raytheon Technologies Corporation。2023年7月、レイセオン・テクノロジーズ社はRTX社に社名を変更)が開発・製造したアクティヴ電子走査アレイ(active electronically scanned array: AESA)3次元レーダー・システムであり、アメリカ海軍で運用されている。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIII向けに統合防空・対空ミサイル防衛機能を提供する。派生型は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIIAへの改修や、コンステレーション級ミサイル・フリゲイト、ジェラルド R. フォード級原子力汎用航空母艦、アメリカ級強襲揚陸艦(多目的)の3番艦以降、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦への搭載を目的とした派生型が開発中である。AN/SPY-6のアメリカ海軍への初納入は2020年7月20日に行われた。共同電子機器型式指定システム(Joint Electronics Type Designation System: JETDS)に基づき、“AN/SPY-6”の名称は、水上艦監視レーダー・システム用の陸軍・海軍電子機器の第6世代設計を表す。JETDSシステムは現在、国防総省の全電子システム命名にも使用されている
- ※2010年9月、海軍は、Sバンド・レーダーおよびレーダー・スイート・コントローラ(radar suite controller: RSC)の開発について、ノースロップ・グラマン Northrop Grumman、ロッキード・マーチン Lockheed Martin、レイセオンに技術開発契約を授与した。Xバンド・レーダー X-band radarの開発は、別途契約となる予定。海軍は、2016年から、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIIIにAMDRを搭載することを望んでいる。これらの艦艇には現在、ロッキード・マーチン社が製造したイージス戦闘システムが搭載されている
- ※2013年10月、“レイセオン社(Raytheon Company: RTN)は、航空・ミサイル防衛用Sバン・ドレーダー(Air and Missile Defense S-band Radar: AMDR-S)およびレーダー・スイート・コントローラー(Radar Suite Controller: RSC)の設計、開発、統合、試験、納入に関するエンジニアリング・製造開発(Engineering and Manufacturing Development: EMD)段階の設計・開発業務に対し、$約386,000,000のコストプラスインセンティヴフィー契約 cost-plus-incentive-feeを獲得した。”2013年、海軍は“将来の脅威”に対処できない小型で性能の低いシステムを採用することで、プログラム費用を$約100,000,000削減した。2013年時点で、本プログラムは総額$約6,600,000,000で22基のレーダーを納入する予定である。量産時の単価は$約300,000,000となる。試験は2021年、初期運用能力(Initial operating capability: IOC)は2023年3月に予定されている。海軍はロッキード・マーチンの異議申し立てを受け、契約を一時停止せざるを得なかった。ロッキード・マーチンは2014年1月に抗議を正式に撤回したため、海軍は作業停止命令を解除した。2022年3月、レイセオンは米海軍の新造水上艦全艦にSPY-6レーダー・ファミリーを装備する$3,200,000,000の契約を発表した。2025年10月、レイセオンはドイツがF127型フリゲイト向けにSPY-6(V)1を選定したと発表。これによりドイツは本システムの初の国際顧客となった
| ヴァリエーション | |
| AN/SPY-6(V)1 | 別名“防空・ミサイル防衛レーダー(Air and Missile Defense Radar: AMDR)”。4面フェーズド・アレイ・レーダーで、各面には37個のレーダー・モジュラー・アセンブリ(Radar Modular Assembly: RMA)を搭載。前世代のAN/SPY-1レーダーと比較して感度が15dB向上すると推定され、距離が2倍でも半分のサイズの目標を検出可能。弾道ミサイル、巡航ミサイル、航空機・水上脅威に対する同時防御能力に加え、電子戦任務も遂行可能である。AN/SPY-6(V)1はアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIIIへの搭載が計画されている。またドイツ海軍F127型フリゲイトへの採用も決定済みである |
| AN/SPY-6(V)2 | エンタープライズ航空監視レーダー(Enterprise Air Surveillance Radar: EASR)としても知られる。回転式で小型化されたヴァージョンであり、9基のRMAを搭載。AN/SPY-1D(V)と同等の感度を持ちながら、大幅に小型化されている。巡航ミサイル、航空機、水上脅威に対する同時防御能力に加え、電子戦も遂行可能。サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦(旧称LX(R))のフライトII型、アメリカ級強襲揚陸艦(汎用)ブーゲンヴィル Bougainville(LHA-8)、およびニミッツ級原子力汎用航空母艦の改修に搭載予定 |
| AN/SPY-6(V)3 | EASRの3面固定式フェーズド・アレイ・レーダーで、各面に9基のRMAを搭載。AN/SPY-6(V)2と同等の性能を有する。Sバンドで動作し、ジェラルド R. フォード級原子力汎用航空母艦(ジョン F. ケネディ John F. Kennedy(CVN-79)から配備開始)において、AN/SPY-3 Xバンド・レーダーを補完するヴォリューム・サーチ・レーダー Volume Search Radarとして機能する。また、コンステレーション級ミサイル・フリゲイト(ネームシップのコンステレーション Constellation(FFG-62)から配備開始)の主要多機能レーダーとしても計画されている |
| AN/SPY-6(V)4 | 4面フェーズド・アレイ、各面24個のRMAを搭載。AN/SPY-6(V)1と同様に、弾道ミサイル、巡航ミサイル、空中・水上脅威に対する同時防御能力に加え、電子戦能力を有する。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦フライトIIAへの後付け装備が計画されている |
| 各面に69基のRMAを搭載する提案型は、AN/SPY-1比で感度が25dB向上すると推定され、ほぼ4倍の距離で半分のサイズの目標を検出可能となる | |
↑The U.S. Navy accepted delivery of future USS Harvey C. Barnum, Jr. (DDG-124), from General Dynamics Bath Iron Works, Nov. 17.

↑A side-by-side comparison for the islands on the future USS John F. Kennedy, at left, and the USS Gerald R. Ford, at right. HII/USN. Image courtesy of The War Zone.
↑A graphic showing elements of the AN/SPY-6(V)3 radar installation for the Ford class. Raytheon. Image courtesy of The War Zone.
| スペック | |
| 用途 | 多機能 |
| 周波数 | S |
| ピーク出力 | |
| パルス繰り返し周波数 | |
| 走査回数 | |
| アンテナ形式 | 矩形平面 |
| 探知距離 | |
| 備考 | ◎3/4面1セット |
Update 26/02/02