HMX
海兵ヘリコプター飛行隊 Marine Helicopter Squadron

アイコン 意味
戦闘や事故で失った場合(沈没、墜落)や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
インターネットやTVゲームに登場する事柄です
不可解な事故&事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です
※MCAAFは海兵航空補助施設(Marine Corps Auxiliary Air Facility)の略。NASは海軍航空基地(Naval Air Station)の略。NAASは海軍航空補助基地(Naval Auxiliary Air Station)の略。NSは海軍基地(Naval Station)の略(ABC順)
※第1海兵ヘリコプター飛行隊(Marine Helicopter Squadron One: HMX-1)は、アメリカ海兵隊のヘリコプター飛行隊で、海兵隊とホワイト・ハウス軍事オフィス White House Military Officeの指示に従って、アメリカ大統領 president of the United Statesと副大統領 vice president of the United States、国家元首、国防総省高官、そのほかのVIPの輸送を担当する。大統領を乗せた海兵隊のヘリコプターは“マリーン・ワン Marine One”というコールサインを使う。以前は、HMX-1は運用試験評価(operational test and evaluation: OT&E)の任務も担っていた。この任務はアリゾナ州ユマのVMX-1に再割り当てされた。しかし、2014年にシコルスキー・エアクラフトに新型大統領専用ヘリコプターが契約発注されて以来、HMX-1はそのユニークな性質と任務のために、このプラットフォームのOT&Eの一時的な役割を引き受けた。VH-92Aは2017年に初飛行し、2022年以降に運用が開始される予定である。“ナイトホークス Nighthawks”の愛称で親しまれるHMX-1は、ヴァージニア州クアンティコ海兵隊航空施設 MCAF Quanticoに本部を置き、ワシントンD.C. のアナコスティア・ボーリング統合基地 Joint Base Anacostia-Bollingとメリーランド州のアンドリュース海軍航空施設 Joint Base Andrews Naval Air Facilityに分遣隊を維持している

↑Image courtesy of en.wikipedia.org.

所在地 駐留日
MCAS Quantico 1947/42/1
航空機の割り当て 初受領日
HO3S-1
HRP-1
VH-34 1957/9
VH-3A 1962
VH-3D 1970年代後半
VH-60N 1988
日付 主な出来事
1946 1946年、ロイ S. ガイガー大将 General Roy S. Geigerはビキニ環礁での原爆実験を視察し、原爆が水陸両用上陸作戦を困難にすることを即座に認識した。海兵隊司令官は特別委員会(ホガブーム委員会 Hogaboom Board)を招集し、海兵隊が敵の海岸をより拡散的に攻撃できるよう、輸送ヘリコプターを開発するよう勧告した。また、ヘリコプターの実験飛行隊を立ち上げるよう勧告した。第1海兵ヘリコプター飛行隊(Marine Helicopter Squadron One: HMX-1)は1947年12月1日、エドワード C. ダイアー大佐の指揮の下、コネチカット州のシコルスキー工場とパイアセッキ工場に比較的近く、また当初の人員のほとんどが集まる海兵隊学校に近いという理由から、ヴァージニア州クアンティコ海兵航空基地 MCAS Quanticoを拠点として就役した。彼らはシコルスキーHO3S-1とパイアセッキHRP-1を運用し、その年の5月に5つの飛行隊航空機が66名の海兵隊員を護衛航空母艦パラオ Palau(CVE-122)の甲板からノース・カロライナ州の海兵隊基地キャンプ・レジューン Marine Corps Base Camp Lejeuneまで輸送したときに、最初の能力テストを見た。1948年、海兵隊学校は水陸両用作戦-ヘリコプターの使用(暫定版) Amphibious Operations-Employment of Helicopters (Tentative)またはPhib-31を発表した。海兵隊は“航空機動 air mobility”や“航空突撃 air assault”の代わりに“垂直包囲 vertical envelopment”という言葉を使った。HMX-1は1948年5月の演習で、空母の甲板から部隊を初めて艦から陸に移動させた
1950 朝鮮戦争が始まると、4機のHMX-1ヘリコプターがVMO-6に配属され、1950年の釜山境界線の戦いで第1臨時海兵旅団 1st Provisional Marine Brigadeを支援するために派遣された。朝鮮戦争では、朝鮮貯水池 Chosin Reservoirの西端に張り巡らされたさまざまな海兵隊部隊間の連絡に使われた。朝鮮戦争の要件は海軍の訓練要件を上回っていたため、HMX-1は戦争の最初の数年間、訓練コマンドとして使用された。彼らは最初の海兵隊ヘリコプター輸送飛行隊であるHMR-161を形成するパイロットの核を訓練した。1957年9月7日、ドワイト D. アイゼンハワー大統領 President Dwight D. Eisenhowerはロード・アイランド州ニューポートで休暇を過ごしていたが、ホワイト・ハウスで大統領の即時出頭が必要となった。大統領は、アーカンソー州知事のオーヴァル・フォーバス Arkansas Gov. Orval Faubusがアーカンソー州兵にセントラル高校 Central High Schoolへの黒人生徒の通学を妨害するよう命じたことに端を発する“リトル・ロック・ナイン Little Rock Nine”の危機に対処するため、ホワイト・ハウスにいる必要があった。アイゼンハワー大統領はこれに対し、1954年5月に連邦最高裁判所が下したブラウン対トピカ教育委員会 Brown vs. Topeka Boardの人種差別撤廃判決を執行するため、第101空挺部隊 101st Airborneをリトル・ロックに派遣した
通常、ワシントンD.C. への帰路は、ナラガンセット湾 Narragansett Bayをフェリーで1時間かけてクオンセット・ポイント海軍航空基地 NAS Quonset Pointのエア・フォース・ワン Air Force Oneまで行き、そののちメリーランド州のアンドリュース空軍基地 Andrews Air Force Baseまで45分のフライト、そしてホワイト・ハウスまで20分のモーターケードでの移動が必要だった。アイゼンハワー大統領は、ワシントンでの緊急の必要性を認識し、エア・フォース・ワンへのより速い移動手段を見つけるようスタッフに指示した。アキドネック島 Aquidneck Islandには緊急事態に備えてHMX-1のUH-34ヘリコプターがあり、大統領を待機している航空機まで飛ばすことができる。アイゼンハワー大統領はこのアイデアを承認し、ヴァージル D. オルソン大佐 Col. Virgil D. Olsonと彼の乗員は、アイゼンハワー大統領夫妻が休暇中に滞在していたニューポートの海軍士官学校 Naval War Collegeの着陸パッドに急行するよう命じられた。オルソン大佐は、ナラガンセット湾を渡って待機していたエア・フォース・ワンまで6分の飛行で到達したと報告している
こうして前例ができた。 オルソン大佐は初の大統領専用ヘリコプターのパイロットとなり、大幅に拡張されたHMX-1飛行隊の指揮官となった。彼は、韓国、ヴェトナム、国防総省で勤務を続けるまでの約3年間、大統領の寵愛を受けて勤務した。アイゼンハワー大統領は1959年、オルソン大佐をホワイト・ハウスの昼食会に招き、その席でオルソン大佐は、マリーン・ワンの任務の限界を超えてキャリアを追求することを許可すべきだと大統領を説得するよう求められた。アイゼンハワー大統領はしぶしぶオルソン大佐の要求に同意した。オルソン大佐の歴史的な役割とHMX-1飛行隊およびマリーン・ワンの活動への長い関わりから、2010年8月12日、ヴァージニア州クアンティコ海兵隊基地 Marine Base Quanticoにある同飛行隊の新施設は、オルソン大佐(1919-2012)を記念して献堂された。オルソン大佐はこの施設の竣工式でスピーチを行ったが、世界中の海兵隊施設に名前が付けられているのは珍しく、そのほとんどが物故海兵隊員を称えるものであった
1957/9 1957年9月7日、ニューポートからのミッションの直後、大統領の海軍補佐官がHMX-1にホワイト・ハウスの南芝生へのヘリコプター着陸の評価を依頼した。予備評価と試験飛行の結果、安全な着陸と離陸のための十分なスペースが存在するという結論に達した。正式な手順が決定され、HMX-1はアメリカ大統領を南庭とエア・フォース・ワンの本拠地であるアンドリュース基地に送迎する長いキャリアをスタートさせた。ホワイト・ハウスの芝生の所定の場所に、着陸時にマリーン・ワンの機首のために大きな白い円形のターゲットを設置することを思いついたのもオルソン大佐である。
1976 当初は陸軍とヘリコプター機能を分担していたが、1976年、海兵隊は全世界の大統領にヘリコプター支援を提供する唯一の責任と使命を与えられた。今日、HMX-1は、副大統領、国防長官、海軍長官、海兵隊司令官、およびワシントンD.C. 地域の全ての訪問国の首脳も支援している[
2009/7 2009年7月16日、マリーン・ワンは初めて女性乗務員だけで飛行し、大統領を操縦した初の女性乗務員の最後の飛行となった:ジェニファー・グリーヴス少佐 Major Jennifer Grieves
2024/8 大統領ヘリコプター計画局 Presidential Helicopters Program Office(PMA-274)と米海兵隊は最近、ロッキード・マーチン社のシコルスキー社が製造した最後のVH-92Aペイトリオット・ヘリコプターの納入を受け入れた。この成果は、行政輸送任務を支援するために23機の新しい大統領ヘリコプターを納入する計画が完了したことを意味する
最初の大統領専用ヘリコプターはVH-34チョクトーで、1957年9月に運航が開始され、1962年からはVH-3Aシー・キングに置き換えられた。1970年代後半、VH-3Aは退役し、アップグレードされたVH-3Dに置き換えられた。現在の航空機はVH-3Dと1988年に飛行隊に配備されたVH-60N“ホワイトホーク”で構成されている。 VはVIP用に設定された機体を示す。エグゼクティヴ・フライト分遣隊は、これらのシコルスキー機を運用する唯一の海兵隊部隊である。VH-3Dは14人乗り、VH-60Nは11人乗り。どちらのヘリコプターもパイロット、副操縦士、クルー・チーフが必要で、VH-60Nのクルーには通信システム・オペレーターも含まれる。VH-60Nは簡単に折りたためるので、空軍のC-5ギャラクシーC-17グローブマスターIIIに積み込むことができ、海外任務に最適である。海兵隊はVH-60NをC-5に搭載する準備を2時間以内で行うことができる。VHプラットフォームの特殊性から、配属されるパイロットと整備要員はすべてシコルスキー工場で訓練された教官によって訓練される。軍事職業専門に応じて、これらの学校は1ヶ月から5ヶ月の範囲で、飛行隊で教えられている。そののち、シコルスキーの技術担当者が海兵隊のヘリコプターの操縦と整備を見守る
HMX-1は、ロッキード・マーチン社のVH-71ケストレル・ヘリコプター23機を新たに受領し、現在のフリートを置き換える予定であった。しかし2009年4月、ケストレル計画が国防予算に含まれなくなったことが発表された。VXX計画は再開され、2017年から2023年の間に新しい航空機を引き渡す予定である。HMX-1はまた、以前は実用目的で少数のCH-46シー・ナイトを運用していたが、最近CH-53Eスーパー・スタリオンのフリートを退役させた。これらの機体は2017年までにMV-22Bオスプリーに置き換えられた。これらの支援機もHMX-1のダーク・グリーンのカラーリングを共有しているが、VIP輸送ヘリコプターが持っている機体上部の白いペイント(したがって、ニックネーム“ホワイト・トップ white tops”)がない。2013年8月11日、2機のMV-22オスプリーが大統領の休暇中にCGASケープ・コッド CGAS Cape Codからマーサズ・ヴィニヤード Martha's Vineyardへシークレット・サーヴィス Secret Serviceのエージェント、ホワイト・ハウスのスタッフ、メディアのメンバーをフェリーする大統領デビューを飾った。2015年現在、HMX-1は1960年代のシコルスキーVH-3Dを7機、1980年代から1990年代のシコルスキーVH-60Nを8機、ベル/ボーイングのMV-22オスプリーを12機保有している
大統領やVIPのフライトは、エグゼクティヴ・フライト分遣隊 Executive Flight Detachmentである“ホワイトサイド Whiteside”によって行われる。ホワイトサイドのほとんどの活動はホワイト・ハウス軍事部 White House Military Officeによって指示されている。ホワイトサイドはヴァージニア州クアンティコを拠点としているが、ワシントンD.C. のアナコスティア・ボーリング統合基地 Joint Base Anacostia-Bollingの付属施設から広範囲に活動している。 HMX-1の残りの部分である“グリーンサイド Greenside”による作戦は、垂直離着陸ティルトローター機であるV-22のような作戦試験評価や、ヴァージニア州クアンティコ海兵隊基地の海兵隊戦闘開発司令部 Marine Corps Combat Development Commandのための演習や訓練展開の支援を含む。 飛行隊名の“X”はもともとエクスペリメンタルの略で、新型ヘリコプターや飛行システムのテストという本来の任務を象徴している。しかし、VIP輸送という作戦上の役割が、作戦上の試験・評価という役割に取って代わられたため、飛行隊の名称は変更されなかったものの、“Experimental”という名称は廃止された。 エグゼクティヴ・フライト分遣隊に所属する海兵隊員は、一定の期間勤務したのち、プレジデンシャル・サーヴィス・バッジ Presidential Service Badgeを授与される可能性がある

↑NEWPORT NEWS, Va. (March 2, 2017) - President Donald J. Trump arrives aboard Pre-Commissioning Unit Gerald R. Ford (CVN-78) on Marine One for a tour of the ship. Trump visited March 2 to meet with the Sailors and shipbuilders of the Navy's first-in-class aircraft carrier during an all-hands call inside the ship's hangar bay. U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Elizabeth Thompson. (Reelased)

↑NEWPORT NEWS, Va. (March 2, 2017) - President Donald J. Trump departs the aircraft carrier Pre-Commissioning Unit Gerald R. Ford (CVN-78) on Marine One, which is escorted by MV-22 Osprey aircraft. Trump visited Ford to meet with Sailors and shipbuilders of the Navy's first-in-class aircraft carrier during an all-hands call in the ship's hangar bay. U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Elizabeth Thompson. (Released)

↑An artist's rendering of the planned Sikorsky VH-92A presidential helicopter. Sikorsky Image. Image courtesy of USNI news.


Update 24/08/21