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航空母艦、汎用航空母艦

※1920年7月17日、巡洋艦籍 Cruisersだった一等航空母艦 Aircraft Carrier, First Lineは、1928年6月6日に航空母艦籍 Aircraft Carriersとして独立、航空母艦 Aircraft Carrierと名称が変更される。1975年から汎用航空母艦 Multi-Purpose Aircraft Carrierと変更される(直訳では多目的航空母艦だが、このサイトでは汎用航空母艦とする)


1920年11月17日のAircraft Carriers 29.5kt案(Preliminary Design No. 1)
常備排水量:25,500t 吃水線長:205.74m 幅:水線30.48m/最大32.30m 吃水:8.22m 主缶:缶8基 出力:85,000馬力 速力:29.5kt 兵装:152mm連装砲8基、127mm単装砲4基
※1922年度造船計画における航空母艦の予備設計図(Preliminary Study #1)。この図面は、1920年11月6日に一般委員会(General Board)から提供された特性案に対して、建造修理局(Bureau of Construction and Repair)が、予定されていた一般委員会の公聴会で設計のトレードオフを議論できるようにに作成されたもの。このヴァージョンは、開発された3隻の中で最も小型のものであった。速力は35ktには遠く及ばない。このコンセプトで建造された船はなく、1921年に新しい設計に取って代わられた

↑Image courtesy of Shipbucket.
1920年11月17日のAircraft Carriers 32.75kt案(Preliminary Design No. 2)
常備排水量:35,000t 吃水線長:246.88m 幅:水線24.38m/最大32.30m 吃水:9.14m 主缶:缶14基 出力:140,000馬力 速力:32.75kt 兵装:152mm連装砲8基、127mm単装砲4基
※16門の152mm砲と32.75ktの最高速力を備えた35,000t案の予備設計図。この計画では、キールから大型航空母艦を建造することを想定していたが、1922年のワシントン海軍軍縮条約に従って、建造中の2隻の巡洋戦艦が大型航空母艦に改造された

↑Image courtesy of Shipbucket.
1920年11月17日のAircraft Carriers 29.5kt案(Preliminary Design No. 3)
常備排水量:34,500t 吃水線長:256.03m 幅:水線30.48m/最大32.30m 吃水:9.14m 主缶:缶18基 出力:180,000馬力 速力:34.75kt 兵装:152mm連装砲8基、76mm単装砲4基
※1922年度造船計画における航空母艦の予備設計案(Preliminary Study #3)。1920年11月6日、建造修理局が一般委員会の公聴会で設計のトレードオフを議論出来るようにするために提出した特性案に対して作成されたもの。このヴァージョンは、速度が4分の1kt低く、魚雷攻撃に対する防御力が弱いという点を除いて、すべての草案特性を満たしていた。このコンセプトで建造された船はなく、1921年に新しい設計に取って代わられた

↑Image courtesy of Shipbucket.


1921年5月5日のAircraft Carriers - Scheme 'B'
常備排水量:39,000t 吃水線長:259.08m 幅:水線29.00m 吃水:8.83m 速力:34.0kt
※1921年5月5日に6インチ砲16門の主砲を搭載し、最大速度34ktを誇る39,000tの艦の予備設計図。この計画では、大型航空母艦を骨組みから建造することが想定されていたが、1922年に締結された海軍軍備制限条約(ワシントン条約)により、建造中の2隻の巡洋戦艦大型航空母艦に改造されることになった

↑Image courtesy of Shipbucket.


1921年9月9日のAircraft Carriers(1922)No. 2
常備排水量:39,000t 吃水線長:259.08m 幅:水線29.87m 吃水:8.83m 速力:34.0kt 兵装:152mm連装砲3基、127mm単装砲12基
※1921年9月9日に6インチ砲6門の主砲を搭載し、最大速力34ktを誇る39,000tの艦の予備設計図。この計画では、大型航空母艦を骨組みから建造することが想定されていたが、1922年のワシントン条約による海軍軍備制限に伴い、建造中の2隻の巡洋戦艦大型航空母艦に改装されることになった

↑Image courtesy of Shipbucket.



1923年4月23日案
常備排水量:39,000t 吃水線長:190.50m 幅:水線20.87m 吃水:6.24m 主機/軸数:タービン/4軸 速力:28.0kt 航続力:10.0ktで10,000浬 兵装:55口径203mm3連装砲2基、25口径127mm単装砲8基
※航空母艦の予備設計図。この図面は、1922年のワシントン条約で課せられた総トン数135,000トンの制限の下、船の大きさと建造可能な数の最適なバランスを選択するために、10,000tから29,250tまでの航空母艦の可能性を探る一連の代替デザインの一つを表している。この13,000tの設計を裏付ける計算は、予備設計書V-4 Preliminary Design Book V-4に記録されているが、この文書は恐らく1970年代に廃棄されたものと思われる

↑Image courtesy of Shipbucket.



※第二次大戦が終結した1945年に海軍は戦時中に航空母艦をうまく運用する方法を見つけ出していた。1930年代後半に設計されたエセックス級は、第二次大戦中に十分な性能を発揮し、合計24隻が建造された。しかし、戦前の設計であったため、次世代の航空機の運用に支障をきたすという問題があった。ミッドウェー級もあったが、実際に竣工したのは6隻中3隻だけで、量産性には程遠い設計だった。しかし、ミッドウェー級には装甲甲板と最大7.5インチのベルト装甲が搭載されていた。そこで、1945年秋に艦船局は、次世代の航空機を運用できる大量生産可能な航空母艦の設計案を作成し始めた。その結果、3つの設計案が出てきたが、どれも完全に満足できるものではなかった。A案はミッドウェー級よりも重く、安定性に問題があったため、B案に変更された。B-1案は全ての問題を解決したが、速度が遅すぎた。B-1案はB-2案へと進化し、最高速度31.8ktを達成したが、必要最小限の兵装を備えていなかった。ここで注意したいのは、A案とB案はいずれもエセックス級のエンジン・プラントを使用していた事である。そこでB案をベースに、ミッドウェー級のエンジン・プラントに似たものを使って速度を向上させることが提案された。その結果、最高速度33.2ktのスタディC-1が誕生したのである。しかし、委員会は航空燃料の搭載量を増やすことを要求したため、船体を長くして追加の装甲を搭載しなければならなかった。1946年4月にC-1案はC-2案となった。この船は、より多くの燃料を搭載し、パナマ運河を通過するには幅が広すぎるという部分を除いて、前の設計の欠点をすべて補った。このデザインは、2つの艦橋、傾斜したフライト・デッキ、4つのサイドマウント・エレヴェーターを特徴としている。甲板上の5インチ砲は、ミッドウェイに見られるような船体上のスポンソンに移された。小型の単装砲の必要性はなくなり、同じくスポンソンに搭載された70口径3インチ砲16基で補った。しかし、この時点ではユナイテッド・ステーツ United Statesが優先され、2つのデザインは最終的に1つに統合された

↑Image courtesy of Shipbucket.



Update 23/07/12