VP
哨戒飛行隊 Patrol Squadron

アイコン 意味
戦闘や事故で失った場合(沈没、墜落)や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
インターネットやTVゲームに登場する事柄です
不可解な事故&事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です
※ABは飛行場(Air Base)の略。MCAAFは海兵航空補助施設(Marine Corps Auxiliary Air Facility)の略。NABは海軍水陸両用基地(Naval Amphibious Base)の略。NAFは海軍航空施設(Naval Air Facility)の略。NASは海軍航空基地(Naval Air Station)の略。NAASは海軍航空補助基地(Naval Auxiliary Air Station)の略。NSは海軍基地(Naval Station)の略(ABC順)
※1960年6月30日に第30哨戒飛行隊(Patrol Squadron THIRTY: VP-30)として編成された。ニックネームは“プロズ・ネスト Pro's Nest”(1960年〜)

↑VP-30 Unit Insignia. Image courtesy of en.wikipedia.org.
所在地 駐留日
NAS Jacksonville, Fla. 1960/6/30
NAS Norfolk, Va. (Det. A) 1960/6/30
NAS Patuxent River, Md. (Det. A) 1962/6/1
NAS Patuxent River, Md. 1966/1/10
NAS Jacksonville, Fla. (Det. A) 1966/1/10
NAS Jacksonville, Fla. 1975/7/30
航空団 テイル・コード 割り当て日
FAW-11 LL 1960/6/30
FAW-5 (Det. A) LL 1960/6/30
FAW-5 LL 1966/1/10
FAW-11 (Det. A) LL 1966/1/10
FAW-5/PatWing-5 LL 1972/6
PatWing-11 LL 1975/7/30
FAW-5は、1973年7月1日にCOMPATWINGSLANTおよび第5哨戒航空団(Patrol Wing 5: PatWing-5)へと改称された。同部隊はそののちも二重の指揮権限を持つ組織として存続したが、1974年7月1日に第5哨戒航空団が独立した部隊となった
航空機の割り当て 初受領日
P2V-5F/FS 1960/6
P2V-7 1960/6
P5M-1/1S 1960/6
P5M-2 1961/1
P-3A 1962/11
SP-2E 1962/12
SP-2H 1962/12
SP-5B 1962/12
P-3B 1965/12
P-3C 1969/6
P-3C UII 1977/11
VP-3A 1978
P-3C UII.5 1983/6
TP-3A 1986
P-3C UIII 1987/5
P-3C UIIIR 1989/6
P-8A
日付 主な出来事
1960/6/30 第30哨戒飛行隊(Patrol Squadron THIRTY: VP-30)がフロリダ州ジャクソンヴィル海軍航空基地 NAS Jacksonvilleにて、第11艦隊航空団(FAW-11)の作戦統制下で編成された。同飛行隊は、実戦配備される哨戒飛行隊に対し、作戦任務遂行能力を持つパイロット、航空搭乗員、整備員を継続的に供給する“補充(練成)飛行隊”として組織された。P5Mマーリン水上機の搭乗員訓練を行うため、ヴァージニア州ノーフォーク海軍航空基地 NAS Norfolkに“アルファ分遣隊 Detachment Alpha”が設置された。一方、ジャクソンヴィル海軍航空基地の部隊では、ロッキードP2V-7ネプチューンを用いた訓練が行われた。編成当初の人員・機材は、士官40名、下士官・兵271名、P5M水上機5機、P2V機13機(P2V-5FS型7機、P2V-7S型6機)であった
1961/7/15 P5Mマーリンを海軍の運用機材から除外する計画に伴い、アルファ分遣隊はジャクソンヴィル海軍航空基地の本体部隊に統合された
1962/6/1 新型機P-3Aによる補充要員訓練を開始するため、メリーランド州パタクセント・リヴァー海軍航空基地 NAS Patuxent Riverにアルファ分遣隊が再編成された。同部隊は年末までに規模を拡大し、士官10名、下士官・兵53名体制となった
1962/10/21 VP-30は補充要員訓練から実戦任務へと移行し、キューバ海上封鎖作戦に参加、第44任務部隊 Task Force 44に対する対潜水艦戦(ASW)の支援を行った。1963年3月、同飛行隊は本来の任務(補充要員養成)へと復帰した
1966/1/10 パタクセント・リヴァー海軍航空基地の分遣隊が本体部隊となり、飛行隊司令部がフロリダ州ジャクソンヴィル海軍航空基地からメリーランド州パタクセント・リヴァー海軍航空基地へ移転した。これに伴い、アルファ分遣隊はSP-2Eネプチューンによる補充訓練を行うため、ジャクソンヴィルへ移転した
1968/5/27〜6/4 1968年5月22日以降消息を絶っていた原子力攻撃型潜水艦スコーピオン Scorpion(SSN-589)の捜索支援のため、VP-30に出動要請がなされた。同飛行隊は、同艦の最後に確認された位置であるヴァージニア州ノーフォークの東方700マイルの海域を6月4日まで捜索したが、発見には至らなかった
1968/12/10 フロリダ州ジャクソンヴィル海軍航空基地にデプロイメントしていたVP-30(第30哨戒飛行隊)の“アルファ”分遣隊 Alpha detachmentは、SP-2E機が海軍の保有機材から除籍されたことにともない、その運用を終了した。同分遣隊の機材や人員は、カリフォルニア州サン・ディエゴのノース・アイランド海軍航空基地を拠点とする第31哨戒飛行隊VP-31(VP-31)のA分遣隊(Det. A)に統合された。この統合により、旧VP-30A分遣隊の人員規模は400名から300名へと縮小された。体制が拡大されたVP-31A分遣隊は、そののちもP-3オライオンを用いた訓練を継続した
1969/6 VP-30が、コンピュータ化された初のP-3Cを受領した
1970 艦隊即応航空整備訓練プログラム(Fleet Readiness Aviation Maintenance Training Program: FRAMP)の導入にともない、VP-30は飛行要員だけでなく整備要員の訓練も開始し、年10回の課程を実施するようになった
1946/3 VPB-27はハワイのカネオヘ海軍航空基地に戻り、FAW-2の作戦統制下に入る
1972/9/6 コリーン A. オーチャ航空対潜戦技術兵 AXAN Colleen A. Ochaが、VP-30におけるFRAMPの訓練を受けた初の女性となった
1972/6/21 VP-30は、P-3運用飛行隊として初めて“無事故連続飛行10万時間”という安全上の節目を達成し、P-3オライオン機の卓越した性能を実証した
1972/3/22 女性として2人目の海軍航空士官であるジュディス A. ニューファー中尉 Lieutenant (jg) Judith A. Neuferが着任した。彼女はP-3での訓練を受けた初の女性航空士官となった。訓練修了後、彼女はフロリダ州ジャクソンヴィル海軍航空基地の第4早期警戒飛行隊(Airborne Early Warning Squadron 4: VW-4)に配属された
1975/7/30 VP-30は、メリーランド州パタクセント・リヴァー海軍航空基地から、かつての母基地であるフロリダ州ジャクソンヴィル海軍航空基地へと移転した。パタクセント・リヴァー飛行場周辺での郊外開発の進展、電波干渉、そして住宅地への墜落事故の危険性といった問題を受け、海軍は1970年代半ばにこの移転を決定した
1983 VP-30は、大西洋艦隊 Atlantic Fleetの実戦哨戒飛行隊に配属される航空機搭乗員および整備員の訓練を担う部隊として、あらゆる階級の要員700名と航空機24機を擁する規模にまで拡大した
1993/10 西海岸のVP-31が閉隊されたことに伴い、VP-30は海軍唯一のP-3艦隊即応飛行隊となった
1995/7 VP-30は、無事故飛行期間31年超および無事故飛行時間300,000時間超を達成し、海軍航空隊における記録を樹立した
1998 1998年、VP-30は高度な戦術や兵器システムの運用を含む全艦隊向けの訓練を提供するためにP-3兵器戦術部隊(P-3 Weapons Tactics Unit: P-3 WTU)を編成し、陸上任務における生存性を向上させるための対脅威訓練も確立した。その結果、コソヴォ、アフガニスタン、イラクでの作戦において、本プラットフォームの完全な実戦統合が達成された。特に、機体改修プログラム(Aircraft Improvement Program: AIP)を搭載したP-3CがAGM-84ハープーンおよびAGM-84 SLAM-ERを発射したが、これはP-3にとってヴェトナム戦争以来の戦闘におけるミサイル発射となった。2002年には、EP-3Eセンサー・システム改修プログラム(Sensor System Improvement Program: SSIP)のモデル・マネージャーとしての任務を引き継いだのち、VP-30は初の艦隊航空偵察飛行隊(Fleet Air Reconnaissance squadron: VQ)所属の海軍航空士官(Naval Flight Officer: NFO)を訓練・修了させた。2003年には艦隊教官訓練コース Fleet Instructor Training Courseを新設し、同飛行隊の海軍航空訓練・運用手順標準化部門 Naval Air Training and Operational Procedure Standardization (NATOPS) Departmentが、訓練および評価を目的として、海軍ポータブル飛行計画システムをP-3CおよびEP-3Eの艦隊運用に統合した
1993 1993年にVP-30とVP-31が統合され単一拠点のFRS(艦隊即応飛行隊)となって以来、VP-30は現在、米海軍最大の航空飛行隊となっている。同隊は“航空主要指揮部隊 aviation major command”と見なされており、その隊長は、実戦部隊であるP-3またはP-8A飛行隊での指揮経験を持つ大佐が務めている
現在、P-8Aを運用する現役の哨戒飛行隊(VP)が12個、MQ-4Cを運用する現役の無人哨戒)飛行隊(unmanned patrol fleet squadron: VUP)が1個存在し、それぞれ第11哨戒偵察航空団(Commander, Patrol and Reconnaissance Wing ELEVEN: CPRW-11:ジャクソンヴィル海軍航空基地)および第10哨戒偵察航空団(Commander, Patrol and Reconnaissance Wing TEN: CPRW-10:ワシントン州ホイッドビー・アイランド海軍航空基地 NAS Whidbey Island)の指揮下にある。また、P-3Cを運用する海軍航空予備役のVP飛行隊も2個あり、それぞれジャクソンヴィル海軍航空基地とホイッドビー・アイランド海軍航空基地を母基地として、カリフォルニア州ノース・アイランド海軍航空基地 NAS North Islandの海上支援航空団司令官 Commander, Maritime Support Wingの指揮下に入っている。これら2つの飛行隊は、いずれも2023年度第1四半期にP-8Aへの機種転換を開始する予定。さらに、改修型P-3Cを運用する現役の特別任務飛行隊(special project squadron: VPU)がハワイのカネオヘ・ベイ海兵航空基地 MCAS Kaneohe Bayに、EP-3EアリーズIIを運用する(艦隊航空偵察)飛行隊(Fleet Air Reconnaissance squadron: VQ)がホイッドビー・アイランド海軍航空基地に配置されており、両部隊ともCPRW-10の指揮下にある

↑EP-3E ARIES(Airborne Reconnaissance Integrated Electronic System)II
VP-30には、現役および予備役の要員に対する機種転換訓練(リプレースメント訓練)の支援業務を補佐するため、米空軍予備役や州兵航空隊における“アソシエイト Associate(連携)”型の航空団・航空群・飛行隊の構成と同様の、海軍予備役VP-30飛行隊増強部隊(VP-30 Squadron Augment Unit: VP-30 SAU)も設置されている。この部隊は、豊富な現役勤務経験を持つ熟練の海軍パイロット、海軍飛行士官(NFO)、および下士官クラスの海軍航空乗組員で構成されている。彼らはパートタイムの選抜予備役(Selected Reservists: SELRES)として実務飛行任務に就き、海軍の“現役・予備役統合(Active Reserve Integration: ARI)”イニシアチブの一環として、VP-30に対し、座学、フライト・シミュレーター/兵器システム・トレーナー、および実機による飛行訓練を行うためのP-3CおよびP-8A教官要員を補充・提供している
現在、現役および予備役のP-8、EP-3、MQ-4運用飛行隊や部隊に所属する米海軍の全要員は、VP-30での訓練を受けている
受賞歴
VP-30は、これまでに6回の“海軍・海兵隊功労部隊章 Meritorious Unit Commendation”を受章している。その中には、ノルウェー空軍へのP-3導入・訓練、海上自衛隊およびオランダ海軍へのP-3C Update II訓練、そして全てのP-3訓練を単一拠点の艦隊転換飛行隊(FRS)に統合したことに対する表彰が含まれる。また、1985年から1986年にかけての冬季法執行作戦への参加により“作戦功労章 Operational Distinguishing Device”付きの“沿岸警備隊功労部隊章 Coast Guard Meritorious Unit Commendation”を受章したほか、CNO(海軍作戦部長)安全賞 CNO Safety Awardを計8回(1971、1983、1991、1992、1995、1998、2007、2008年)、隊員定着率の高さを示すCINCLANTFLT(大西洋艦隊司令官)ゴールデン・アンカー賞 Golden Anchor Awardを計4回(1995、1999、2000、2001年)受賞している。さらに、米海軍の哨戒飛行隊の中で最も優れた航空機整備組織として2008年に“ゴールデン・レンチ賞 Golden Wrench Award”を、2010年には“DEFYフルクラム・シールド賞 DEFY Fulcrum Shield award”および“定着率優秀賞 Retention Excellence Award”を受章する栄誉に浴した。2010年12月、VP-30はクラスAの事故 Class A mishapを起こすことなく、46年間・450,000飛行時間以上を達成した。加えて、2010年の海軍安全センターによる航空整備調査 Naval Safety Center Aviation Maintenance Surveyでは、前年に評価された300以上の部隊の中で、VP-30が総合評価で最高得点を獲得した。同部隊は、海軍で最も優秀な艦隊転換飛行隊(FRS)に贈られる“T. G. エリソン中佐賞 Commander T. G. Ellyson Award”(航空機乗組員育成の優秀さに対する賞)を2度受賞している

↑オランダ海軍所属P-3CアップデートII.5

↑Sailors assigned to Patrol and Reconnaissance Squadron (VP) 30 use an aviation tractor to move a High Altitude Anti-submarine Warfare Capability (HAAWC) weapon system toward a P-8A Poseidon maritime patrol aircraft on the VP-30 flight line, Feb. 7, 2024. US Navy photo. Image courtesy of USNI news.


Update 26/09/06