海洋打撃ヘリコプター飛行隊 Helicopter Maritime Strike Squadron

アイコン	意味
	戦闘や事故で失った場合（沈没、墜落）や損傷した場合、艦船などの内部で事故や事件がおこった場合の意味です。自軍や同盟軍、所属機関、所有会社が行った沈没処分や破壊処分、漁礁としてまたは演習で使用して沈めた場合にはこのアイコンは付けません
	戦果や功績、各機関に寄贈された場合の意味です。戦争などで沈没し、何十年後に発見された場合もこのアイコンです
	映画やTVドラマ、ドキュメンタリーに使用された場合の意味です
	参考文献、小説や書籍に登場する事柄です
	インターネットやTVゲームに登場する事柄です
	不可解な事故＆事件およびUFOなど超常現象に遭遇した事柄です

※MCAAFは海兵航空補助施設（Marine Corps Auxiliary Air Facility）の略。NAFは海軍航空施設（Naval Air Facility）の略。NASは海軍航空基地（Naval Air Station）の略。NAASは海軍航空補助基地（Naval Auxiliary Air Station）の略。NSは海軍基地（Naval Station）の略（ABC順）

• 第73海洋打撃ヘリコプター飛行隊 HSM-73

※第73海洋打撃ヘリコプター飛行隊（Helicopter Maritime Strike Squadron Seven Nine: HSM-73）は、カリフォルニア州ノースアイランド海軍航空基地を拠点とするアメリカ海軍の海上攻撃ヘリコプター部隊である。HSM-73は“バトルキャッツ Battlecats”の拠点である。MH-60Rシーホークヘリコプターを運用し、フリゲイト、駆逐艦、巡洋艦、空母からの作戦行動が可能で、多様な任務を遂行する

↑Image courtesy of en.wikipedia.org.

日付	主な出来事
	“バトルキャッツ”は海軍で“トライアド The Triad”と呼ばれる3人の指導者によって率いられている。指揮官 Commanding Officer、副長 Executive Officer、司令部上級曹長 Command Master Chiefの3名である。指揮官はリチャード“スピード”クリストフ海軍中佐 Commander Richard "Speed" Christoff, USNが務める。副長は米海軍のジャミール“フェイスマン”マクダニエル中佐 Commander Jameel "Faceman" McDaniel, USNである。司令部上級曹長ジェイソン・ブラウン Command Master Chief Jason Brown, USNは部隊における上級下士官顧問 senior enlisted advisorを務め、指揮官 commanding officerと下士官兵 enlistedの間の連絡役を担っている
	HSM-73の主たる任務は、空母航空団の不可欠な一員として、外洋および沿岸環境における海上支配作戦を実施することである。HSM-73の任務には以下が含まれる： 対潜戦（Anti-Submarine Warfare: ASW） 対水上戦（Anti-Surface WarfareASUW） 監視 Surveillance 通信中継（Communication Relay: COMREL） 捜索救助（Search and Rescue: SAR） 艦艇対艦砲撃支援（Naval Surface Fire Support: NSFS） 垂直補給（Vertical Replenishment: VERTREP） 要員移送
	HSM-73の乗組員は、MH-60Rシーホーク（別名“ロミオ Romeo”）を運用している。MH-60Rは、海軍の主力海上支配ヘリコプター primary maritime dominance helicopterであり、SH-60BおよびSH-60Fの後継機。MH-60Rヘリコプターは、空中多任務海軍プラットフォームとしての能力を備えている。MH-60Rシーホークはシコルスキー・エアクラフト社製で、外洋および沿岸域における米海軍の主力対潜水艦戦および対水上兵器システムである。これは世界で最も先進的な海上ヘリコプターであり、現在運用可能な最も高性能な海軍ヘリコプターであり、フリゲイト、駆逐艦、巡洋艦、航空母艦から運用できるように設計されている。これは、米海軍艦隊におけるSH-60BおよびSH-60Fヘリコプターの後継機となる。MH-60Rヘリコプターはグラス・コックピットと大幅なミッション・システムの改良を特徴としており、空中多任務海軍プラットフォームとしての能力を備えている。これらの改良点は以下の通りである ミッションおよびフライト・ディスプレイのアップグレード 改良型高度飛行制御コンピュータ（Advanced Flight Control Computer: AFCC） 統合型自衛装置 電子支援手段（Electronic Support Measures: ESM）、空中低周波ソナー（Airborne Low Frequency Sonar: ALFS）、多任務レーダーのアップグレード Multi-mission Radar Upgrade（ISARを含む）、前方監視赤外線（Forward Looking Infrared: FLIR）などのセンサーのアップグレード 魚雷およびヘルファイアミサイルを含む兵装
	主要任務 対潜水艦戦（Anti-submarine warfare: ASW）はHSM-73の主要任務の一つである。“バトルキャット”の乗組員は、MH-60Rのレーダー、電子支援手段（ESM）、ソノブイ、そして艦艇センサーを活用し、潜水艦を探知した際に、その位置を特定、分類、追跡し、必要に応じて攻撃を行う。この任務のために、航空機はさまざまな種類の魚雷を搭載可能である 対水上戦（Anti-Surface Warfare: ASUW）はHSM-73のもう一つの主要任務である。“バトルキャット”の乗組員は、レーダー、ESM、FLIRを用いて、水上脅威を観測、識別、そして位置を特定する。脅威の疑いのある敵を検知した場合、ヘルファイア・ミサイルを搭載したMH-60Rは、単独または協調攻撃を実施する 二次任務 垂直補給（Vertical Replenishment）：MH-60Rは、艦艇間、または艦艇と陸上の間で物資を輸送することができる 捜索救難（Search and Rescue）：MH-60Rは、特定の目標、物体、船舶、航空機を捜索・位置特定し、救難ホイストを用いて人員を救助することができる 医療搬送（Medical Evacuation）：MH-60Rは、患者の医療搬送を行うことができる 通信中継（Communications Relay）：MH-60Rは、部隊間の通信を中継することができる 海軍水上火力支援（Naval Surface Fire Support）：MH-60Rは、水上艦艇からの艦砲射撃を視認・管制するためのプラットフォームとして機能することができる
1984/10	HSM-73は、以前は第43軽対潜ヘリコプター飛行隊（Helicopter Anti-Submarine Squadron, Light 43: HSL-43）だった。HSL-43は1984年10月5日に設立され、海軍初の運用可能な軽航空機搭載多目的システム（Light Airborne Multi-Purpose System: LAMPS）Mk. III飛行隊となった。HSL-43の主任務は、アメリカ太平洋艦隊 U.S. Pacific Fleetに所属する巡洋艦、駆逐艦、フリゲイトに、完全な任務遂行能力を備えた分遣隊を派遣することだった。これらの分遣隊に搭載されたヘリコプターは艦艇の兵器システムの不可欠な部分であり、艦艇の水中戦闘能力および対艦戦闘能力を水平線を越えて拡張した。副次的な任務には、捜索救難（Search and Rescue: SAR）、医療搬送（Medical Evacuation: MEDEVAC）、垂直補給（Vertical Replenishment: VERTREP）、通信中継（Communication Relay: COMREL）などがあった
1985/2	HSL-43は1985年2月に初展開し、そののち年間3〜4回の展開を実施した。HSL-43は、海軍で初めて海兵遠征部隊（Marine Expeditionary Unit: MEU）とその親組織である水陸両用即応群 Amphibious Readiness Groupへの直接的な作戦支援を実証したLAMPS Mk. III飛行隊だった。また、HSL-43は海軍で初めて暗視ゴーグル（Night Vision Goggle: NVG）搭載可能な分遣隊を配備したLAMPS飛行隊でもあり、安全性、任務遂行能力、そして乗組員の状況認識能力の向上に貢献した
2025/10/26	2025年10月26日午後2時45分頃（現地時間）、米海軍HSM-73“バトルキャッツ”に所属するMH-60Rシーホーク・ヘリコプターが、ニミッツから通常作戦中、南シナ海海域で墜落した。第11空母打撃群（Carrier Strike Group 11）に所属する捜索救助隊が、乗組員3名全員を無事救助した
2025/10/27	ドナルド J. トランプ大統領 President Donald J. Trumpは2025年10月27日の記者会見で、南シナ海での米軍機２機の墜落事故の原因として、海軍が空母ニミッツの燃料供給を調査していると語った。シーホークとスーパー・ホーネットの墜落に不正行為が関与している可能性について問われると、トランプ大統領は記者団に対し、“燃料の不良が原因かもしれません。つまり、燃料の不良である可能性はあります。そのような事態は非常に異例です…彼らは燃料の不良が原因かもしれないと考えています。いずれ明らかになるでしょう。隠すことは何もありません”と述べた。 海軍の初期調査に詳しい2人の関係筋はトランプ大統領の発言を確認し、機内の汚染された燃料が両事故の有力な原因だったと述べた上で、当初の報告書は最終的な結論には程遠いと述べた。墜落事故の完全な調査には数ヶ月かかる可能性がある。 海軍報道官は、燃料に関するトランプ大統領のコメントについて尋ねられると、USNI Newsにホワイト・ハウスに問い合わせるよう伝えた

↑PACIFIC OCEAN (Aug. 22, 2023) - An MH-60R Sea Hawk helicopter from the "Battlecats" of Helicopter Maritime Strike Squadron (HSM) 73 hovers over the flight deck of the aircraft carrier USS Nimitz (CVN-68). Nimitz is underway conducting routine operations. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 2nd Class Kenneth Lagadi)

Ｕｐｄａｔｅ　25／10／29